火曜日は定休日なのですが、「スケジュールの都合があって、できれば楽器を引き取りたいです~」と来られたローディさんが差し入れをしてくださいました。
年末進行でふつうに仕事をしていたのでそんなに気をつかわなくても(笑)! 有り難うございます。
グレコが1988年に作ったベースです。 実はスケールがギブソンより少し短く作られているのですが、持った時のバランスが本家より良いので弾きやすい楽器です。
ハイポジションが起きています。 ここはヒーター修正やフレット交換の過程で上手く直したいところです。
ペグのギアのかみ合わせが甘く、かたかったり、緩めるときにカタッと一気にチューニングが下がったりします。 ペグを交換することになりました。
ポットのガリノイズもあるので部品を交換して配線を引き直します。 導電塗料でノイズ処理もします。
他にも面白い試みがあるのですがまた追々。 お預かりする際にオーナー様とは、楽器の話より他の話が何時間も盛り上がってしまって、作業については相談しながら進めることになりました(笑)
ベースが戻ってきました。 ロッドナットがトラスロッドに斜めに入って固着していたベースです。 購入した販売店を通じてネックを新品に交換してもらえたようです。
では改めて作業を進めていきましょう。 ピックアップを交換します。
ナットの3弦溝にちょっと問題があります。 ヘッド側に振動が逃げて異音がするのです。
よく見るとナットのフレット側半分しか弦を支えていない状態。 張っている弦の長さの関係で、巻き数を増やせず、下に押しつけることもできないので悩ましいです。
他の弦はこれで良いのですが、3弦はベースもギターもナット上で弦の角度がつかないので溝はもう少し真っ直ぐに近く切る必要があると、今のところ私は考えています。
図で描くとこんな感じになっています。
角度を変えるにはフレット側を削るしかないのですが、そうするとヘッド側の弦から出る異音はなくなるのですが、フレットの頂点の延長線にナット溝の底が近づいていって弦がビリつきやすくなります。
うううむ。 交換した方が納得のいく仕上がりになりそうなので交換することにします。 ナットは本当に繊細なものですね。