すり合わせしたフレットをピカピカに磨きました。
レモンオイルで拭き取って掃除しました。
フレットが浮いていた問題は解決しました。
フレットがポロッと取れたというギターです。
エボニー指板は硬い一方で割れやすくて粘りがありません。 溝の幅がフレットのタング幅より余りにも広くなってしまうと、フレット浮きしやすくなりますね。
とは言え、手で摘まんで取れるというのはいただけません。 以前どこかで行われたフレット交換作業がイマイチだったということです。 リペアマンにもいろいろなレベルがありまして、このように経験の差がでます。
一度しっかり溝を作り直します。 0.53ミリのノコで溝幅を適切に拡げました。 フレット打ち直し修正は完璧に上手くいきました。
こういうときは他のフレットも疑わなくてはいけません。 そもそも1フレットだけ正しく押し込むと、浮いている他のフレットより低くなってしまうのです。
よって、他のフレットも接着剤を染みこませて圧入することで仮固定します。 本当は一度フレットを全部抜く方が良いに決まっているのですが、それをやり出すと本格的にリフレット作業に発展してしまうので、お客様との御相談により今回は仮固定する方法になりました。
フレットのすり合わせをしました。 弦を張ってみて、状態を確認します。
問題なさそうなので、接着剤の除去やフレットの仕上げ加工に入っていきましょう。