指板研磨~フレットの圧入【レスポールスペシャル(20260412お預かり)のネックオーバーホール-4】

フレット溝を補修していきます。 15・16フレットあたりは謎の凹みがありますので特に気をつかって作業します。

フレット溝の補修

大まかに指板の研磨をします。

指板研磨

フレット溝の幅を調整します。

フレット溝の幅を仕上げる

弦を張って、楽器を演奏時と同じ角度に構えた状態で削ることで、指板研磨の精度を上げていきます。

指板研磨の精度を上げる

ここでナットを外しました。 塗装がひび割れているので心配でしたが、密着は良いようできれいに取れました。

ナットを外す

指板面を#600までサンドペーパーで仕上げます。

指板を#600まで仕上げた

ステンレス製の#55090を打っていきます。 フレットが硬いのでカットしたり曲げたりするのが大変です。 バネみたいな力が残ったまま打つと、あとで浮いてくると思いますので丁寧に指板Rに合わせて圧入します。

フレットを打つ

弦を張った状態で置いておきます。

弦を張っておく

ハイポジションを少し逆反り方向へ持っていきたかったのですが、予想通りの仕上がりになりそうです。


フレットを抜いてみた【レスポールスペシャル(20260412お預かり)のネックオーバーホール-3】

ブリッジの取り付け位置がズレていてオクターブチューニングができないと思われます。 4mmくらい前に出した方が良さそうです。

ブリッジは4mmほど前へ

プラグを動かすとバリバリいうのでジャックは交換してしまっても良いと思います。 手応えが固いのを気にされていましたから、PURETONEよりスイッチクラフトをおすすめしてみようかと思います。

ジャックは交換しても良いかもしれない

作業の邪魔になるのでピックアップを外しました。 P-100が載っています。

P-100が付いている

フレットを抜きました。

フレットを抜いた

指板のRは10インチ付近です。 一般的なギブソンは12インチですから少し丸みのある指板です。

指板Rは10インチぽい

フレット溝付近の毛羽立ちを抑えるために塗った低粘度接着剤を掃除していたら、15フレット付近に凹みがあることが分かりました。

ジョイントのライン付近に凹みがある

トラスロッドナットと半月板に付着した塗装を剥がして、トルク調整剤を塗っておきます。

ロッドナットの清掃とグリスアップ

ストレートエッジをあててみても、15フレット付近がえぐれていることがわかります。 これはおそらくハイ起きが原因ではなくて、工場で製作時にこうなったのではないでしょうか。

謎の隙間

トラスロッドは6フレット付近によく効きます。 理想より少しローフレットよりに効いていますね。 15フレット付近の凹みもありますので、弦を張ってみて指板の表面がどうなっているか調べましょう。

ネックの印象

ブリッジを4mmほど前へ出して、位置を固定するために両サイドのネジにロックワッシャーを追加しておきます。

ロックナットを追加する

弦を張ってみました。 意外にコンディションは良いですね。 フレット溝を補修するついでに、凹んでいるところを丁寧に直せば上手くいきそうです。

弦を張ったらコンディションは良い

フレット溝をどうするかイメージできてきました。


全体調整【逆反ったフラトーンレスポールタイプのメンテナンス-2】

明らかにオクターブチューニングが合わないと思われたので、4弦のサドルを裏返しました。

サドルを裏返した

おおまかにサドルの位置を出しておきましょう。

サドルの位置出し

トラスロッドナットに付着している塗装を掃除してトルク材を塗っておきます。 パイプレンチで1回(60°くらい)しか回っていませんでした。

むしろ弦を張って保管しておいた方が良いかもしれませんね。 あと、これだけロッドに負担がかかっていないなら、オーナー様がご自分でロッドを回しても怖くないと思います。

ロッドナットを清掃してグリスアップ

ジャックが曇ってきていたので磨いておきました。

ジャックの清掃

ジャックが回るのでロックワッシャーが入っていないのかと思ったのですが、ありました。 歯が鋭い方をジャックプレートに向けておきます。

ロックワッシャーを裏返した

と・・・ここで気が付いたのですが、ロックワッシャーといっしょにドレスワッシャーまで内側に入っていました。 ここで空回りしていたようですね。

ドレスワッシャーが内側から出てきた

ドレスワッシャーはロックナットの下に動かして、締め込み直しました。 プラグを差してみて問題ないか確認しました。 ここはチェックしておいて良かったですね。

プラグが刺さるか確認した

1弦のテールピース側に1弦の痕が付いているので、スタッドをもう少し上げてみようかと思いましたが、さび付いていて動きません。

エイジド加工がたくさん施されたフラトーンはネジも錆びています。 そういう「表現」なのかもしれません。 弾いていて特に困らないと思うので、今回は無理に動かしませんでした。

スタッドが動かない

ペグのメンテもしておきます。 ブッシュの内側とペグポストを磨いて、薄くグリスを塗っておきます。 ペグを外すさびと木くずが出てくるのまでギブソンぽいですね。 この木くずはさすがに掃除させてもらいました。

ペグを外してみた

弦溝に追いグリスしておきます。

ナットに追いグリス

弦高調整とオクターブチューニングの確認をしました。 これで完成で良いと思います。

完成

ロッドを緩めましたから、このままネックが動かなければお返ししましょう。


ナット交換、ブリッジ交換など【トーカイLSS(20260530お預かり)のブリッジ&ナット交換-2】

ナットを外しました。 古い接着剤を掃除しておきます。

ナットを外して接着剤を掃除する

SonicのオイルドボーンナットOB-02を粗加工します。

ナットの粗加工

接着しました。

ナットの接着

フレットの角を丸めていきます。

フレットの端を丸める

サンドペーパーをあてて・・・

フレットの角にサンドペーパーをあてる

フレットを仕上げ直しました。 これで角の引っかかりはなくなりました。

フレットを仕上げた

弦の溝を作っていきます。

弦の位置を決めた

弦を張ってみましょう。

ナットに弦溝を作る

ナットを仕上げました。

ナットを仕上げる

モントルーのラップアラウンドブリッジを取り付けていきます。 トーカイのギターなのでミリスタッドを使います。

ミリスタッドが必要になる

弦交換の度にブリッジが弦長方向に動かないようにするために、ロックナットをそれぞれ追加します。

ネジを固定するナットを追加する

ブリッジの位置出しをします。

ブリッジの位置出し

弦を張る前にペグのメンテナンスをしておきます。

ペグのメンテナンス

1・6弦だけ張ってみて位置を決めます。

弦位置を決める

弦溝を作っていきます。

サドルに弦溝を作る

細かい部品が共鳴しないように低~中粘度のネジロックで仮固定しました。

サドルを仮固定する

弦高調整とオクターブチューニングをして・・・

オクターブチューニング

これで作業が完了しました。

完成

お返しする時にお好みに合わせて細かい調整をすれば完成です。


P-90タイプのコイルを試作

先日、鈴鳴り感のあるP-90になるようにコイルを巻き直す仕事をしたところ、お客さまにとても喜んでいただけたので、もっと極端にやってみたらどうなるのか試作品を作ってみることにしました。

とあるお客さんから頂いたバッカスに付いていたP-90タイプのピックアップを分解していきます。

元のコイルをカットした

コイルを巻いていきます。

コイルを巻く

組み直してワックスに漬け込みました。

試作品が完成

マグネットは元からアルニコ5が付いていたようです。 ターン数の少なさをマグネットの強さで補っているので、音量の問題はありません。

もともとP-90は出力が高めなので、リアをアルニコ2とかに抑えてあげるとバランスが良いのではないでしょうか。

今回はリアに、ノイズを減らすためだけのコイル(マグネットやポールピースは付けない)を付けて効果や音の変化を調べてみようと思っています。