ネック調整【J.W.BLACK ソニックブルーのJBタイプのノイズ処理-1】

J.W.BLACKのJBタイプです。 レコーディング用に使っていてノイズが気になるそうです。 しばらくメンテナンスしていないそうなのでネックやサドルの調整もしましょう。

J.W.BLACK

トラスロッドを締めました。 ハイポジションに少し順反りが残っていますけれど、今回は弦高をペタペタに下げるわけではないので、一度これで調整して使ってみてもらいましょう。

ネック調整してみた

コントロールキャビティには導電塗料が塗られています。 抵抗値も充分に低いですし、アース電位にもつながっています。

コントロールには導電塗料が塗られている

ピックアップキャビティには塗られていません。

ピックアップキャビティには塗られていない

クッションに張られている両面テープを掃除します。

クッションの粘着を掃除する

ここに導電塗料を塗る方向で進めましょう。


原因を調べる【フロントピックアップに触るとノイズが出るジャズベース-1】

フロントピックアップに手を近づけるとノイズが出るということでお預かりしました。 チャマブルーっぽいジャズベです。 ちゃんとゴールドバーツが付いていますね。

チャマブルーっぽいジャズベ

確かにかなり気になるノイズが出ます。 何がどうなっているのか調べていきましょう。

フロントピックアップを触るとノイズが出る

そもそもこのピックアップはハムノイズをキャンセルできていません。 リアはS極トップ。

S極トップ

フロントもS極トップです。

S極トップ

反時計回りに巻いたコイルの巻き終わりがホットになっているリアピックアップ↓

リアピックアップの出力線

同じく反時計回りに巻いたコイルの巻き終わりがホットになっているフロントピックアップ↓

フロントピックアップの出力線

巻き方向を逆にすることで外来ノイズを逆相にして打ち消しつつ、磁極も逆にすることで弦振動による発電をさらにひっくり返して同じ位相に戻すということができていません。 フェンダーの歴史上、JBのピックアップは誕生したときからハムキャンセルしているはずですので何かが間違っています。

ちなみに配線は白(ホット)がボリュームの2番端子に正しく接続されています。

白ホットは2正しくつながっている

なので信号の位相は合っています。

位相の確認

ではなぜフロントだけ触るとノイズが多いのでしょうか? ひとつ考えられるのは、リアはラッカーで絶縁してあるのですが↓

リアピックアップのポールピース

フロントは塗られていません。 これが原因でしょうか?

フロントPUのポールピース

リアピックアップを外して裏側を見ます。

リアピックアップの裏側

ポールピースのエッジは塗料が乗りにくいせいか導通があります。 でもここを触ってもフロントほどはノイズが出ません。

エッジにはラッカーがあまり乗らない

フロントを0.5mm厚のメイプル板越しに触っても結構ノイズが出ます。

絶縁してもリアよりノイズが多い

ここで大事なことが判明しました。 フロントピックアップの1弦側のポールピースが、ホットと38Ωでつながっています↓

なぜかホットとほぼショートしている

これはコイルの巻き終わりが隙間からコイルの内部へ引き込まれて、巻き始めに戻っているのです。 エナメル皮膜が摩擦で取れてコイル線がポールピースと直流的にショートして、あと38Ωだけ巻いて完成した(全体は8000~9000Ωくらいが一般的です)ということが考えられます。

他のポールピースとも薄いエナメル皮膜で隔てられて接触しているので交流的には線間容量によってつながっています。 なので手で触るとノイズが入ってくるのです。

案1としては、買ったところに頼んでフェンダーに新しいピックアップセットに交換してもらう。

案2としては、このフロントピックアップを計測して、絶対に間違いのない方法でフロントピックアップを私がもうひとつ作るということです。

不具合の原因がマニアックすぎるので、案1にして「リアの巻き方が間違ってたのでリアだけ交換しました」みたいなことになると直らないのが心配です。

 

トラスロッドナットにグリスを塗りました。

ロッドナットにグリスを塗る

弦は交換するのはもう少し下に押し下げて置こうと思います。 上の方に巻くと3弦に角度がなくて振動が逃げがちになります。

弦はもう少し下に押し下げたい


ウクレレの続き

内部にピックアップ代わりの圧電ブザーを取り付けたので配線を引っ張り出します。

配線を通す

エンドピンジャックは3本のネジで固定するタイプです。

下穴をあけた

こんな感じになりました。

エンドピンジャックが付いた

弦はキワヤのフロロ。ローGセットです。

弦交換

ハイGのナイロンから張り替えるのであちこち変更が必要です。 オクターブチューニングのためサドルの頂点をスラントさせます。

サドルを削る

地道に削って・・・

サドルを削る

磨きました。

サドルのオクターブ調整

こんな感じになりました。 1弦がほんの少しフラット気味ですがハイポジションでメロを引くときはチョーキングビブラートもするでしょうから取りあえずこのままで。 手が空いたらもう少し溝を拡げてぶ厚いサドルに交換すれば完璧になりそうです。

1弦は3回、他は2回巻けば良い感じになるようなので次回の弦交換のために覚えておきましょう。

3回巻いた

ギター用のペグが付いているのでややヘッドが重いです。 ストラップを付けられるようになって弾きやすくなりました。

フロロ弦は比重が大きいので、ナイロン弦の時より弦が細くなります。 今回ローGに変えたので4弦は太くなりました。 弦の溝を微調整すれば、ナット自体はそのまま使えそうです。

ナット溝

音程が良くなったので和音を弾いたときの音量も大きくなりました。

音色も気に入ったので次回もこの弦を買おうと思います。

今回張った弦


自分のウクレレのメンテナンス

お正月の間に自分のウクレレのメンテナンスをします。 10年以上前に作ったウクレレです。 ホームセンターで売っているラワンの合板でできています。

フレットのすり合わせ

指板が微妙に波打っていたのでフレットのすり合わせで対応します。

磨いた

ブッシュ浮きを修正します。

ブッシュの再固定

グリスを塗っておきましょう。

グリスアップ

ペグポストを磨いてギアにもグリスを注しておきます。

ペグの清掃

弦がブリッジの木部に接触するので弦のところだけ削っておきます。

弦と干渉するので削る

エンドピンジャックはふたつの部品に分かれているタイプなので外れないようにネジロックかためで完全固定しておきます。

ネジロックで固定

ピックアップの代わりに圧電ブザーを付けておきます。 これでもちゃんとアンプから音が出ます。

圧電ブザー

エンドピンジャックの穴をあけます。

エンドピンジャックの穴をあける

 


弦を張って確認する【MTDの修理-32】

試しに弦を張ってみました。 指板を削ったぶん、元のナットだと溝が高すぎてオクターブの確認がしっかりできませんでした。 ただ1フレットラインでチューニングしたときには12フレットでも音程が合うので問題ない気がしています。

弦を張ってみた

やっぱりトップにつや消しを吹いた方が格好良さそうなのでふりかけていきます。

つや消し塗装