ご要望を整理する【Kiihlの5弦フレットレスベースの改造-1】

5弦のフレットレスベースをお預かりしました。 Kiihlというブランドのベースです。

Kiihlの5弦フレットレス

トラスロッドカバーがありません。 このテープに描かれたデザインでブラスで作ります。

ヘッド部

指板とネックの間に段差があって気にされているようですが、特に問題はないと思います。 あっても今のところできることがないと思います。

指板エンド

ここにスロープが付きます。 なるべく指板と段差がないような位置でネジ止めできるようにします。

スロープ

ピエゾピックアップ付きのブリッジです。 ここの動作確認もしましょう。

ピエゾブリッジ

断線しがちなバッテリーボックスを止めてキャビティ内にバッテリーを入れて欲しいということなのですが、コントロールキャビティはギュウギュウになりますし、ここはここで空洞なので何かしらの工夫が必要になります。

バッテリーボックス

コントロールは金ノブが付いているところが左からマグネティックピックアップボリューム、ピエゾピックアップボリューム、ノブ無しのところは今回特注で作るローミッドの周波数可変とブーストカット(2kHzブーストも半固定抵抗でキャビティに内蔵する。シールドケーブル分の容量を追加するコンデンサは今回は無しで、18ボルト駆動仕様)、黒いノブのところがピエゾのトレブル&ベースになります。

コントロール部

今の配線はこうなっています。

今の配線状態

トランジスタ1石ブースターが付いています。 こっち向きでユニバーサル基板を使うのは珍しいですね。 ショートしそうです。 いらないのではないかと思いますが、これを使うなら作り直します。

謎の基板

パッと見た感じこういう回路だと思います。

1石ブースター回路図

左のポットはパッシブトーンみたいですがBカーブなのが変です。 あとから改造したのでしょうか。 右のポットは・・・

ボリュームとトーンみたい

基板のPV(Potentiometer Volume?)につながっています。 ボリュームですね。

PVにつながっている

隣にトレブルとベースがあります。 ここから配線を出し直せば良さそうですね。 Fishman Model B Bass Pre-ampという外付けのプリアンプから基板を抜いてここに取り付けたもののようです。

Fishman Model B Bass Pre-ampの基板ぽい

赤い線が1本切ってあります。 黒い線は撚ってあってそのままジャックのリング端子へ。 つまりこの基板は現状9Vで動いていることになります。 もともとModel Bは9V電池ひとつで動くようです。

9V駆動になっている

1本の楽器でひとつの回路を9V、もう一方を18Vで動作させるには工夫が必要です。 電池を3個使ってスイッチ付きジャックで9Vと18Vをそれぞれオフにできる機構にするか、ボルテージダブラ回路を追加して1個の電池から18Vを作って別々に供給する必要があると思います。

明らかに改造した形跡があるので慎重にチェックしてからプリアンプに通電→ピエゾピックアップのチェックをすることにします。


ブリッジの交換【レスポールスペシャル(20250601お預かり)のナット、ブリッジ交換-9】

フレットクリーニングしておきました。

フレットクリーニング

スタッドを取り替える前に、アンカーに付いているマスキングテープと塗装を掃除しておきます。

マスキングテープの清掃

ブリッジの大まかな位置を出しておきます。

ブリッジの位置出し

ポールピースから外れない範囲で、指板と弦の隙間が均等になるように1・6弦の位置を決めます。 ここから5等分します。

1・6弦の位置出し

弦溝を作りました。

弦溝を作る

弦を張ったらこんな感じです。

弦が張れた

弦がなじんだらナットの弦溝を追い込んで、全体の調整をすれば完成になります。 


フレットを抜いてみた【Burnyのレスポールジュニアタイプのチューンナップ-5】

フレットを抜きました。

フレットを抜いた

今ではほぼ見かけないフレットです。 タングにスタッドが付いていなくて、工具でつかむことでバリを出して使うタイプです。

フレット

接着剤でバリを抑えたところを掃除する程度に研磨します。

接着剤を掃除する

フレットの形に凹んでいるのと、6弦側のRがくずれているところが気になります。

指板Rがダレている

地道に足したり引いたりしながら整えていきましょう。