原因の追及【マーシャル・ガバナーの修理-1】

年季の入ったマーシャルのガバナーです。 フットスイッチの調子が悪く、バイパス音が出なくなります。 たまにピーピー発振するそうです。 また、バッテリー駆動ができないそうです。

マーシャルガバナー

以前の修理で配線材が交換されていて分かりにくいですね。 見分けるために貼ったと思われるマスキングテープがそのままになっています。

ガバナーの中身

元々の配線はおそらくこうなっていたはずです。 本機はシャーシアースが右下の端子に間違って配線されています。 バイパス中にケースがアースから切り離されてノイズを集めるアンテナになってしまっていますね。 ここはスイッチ交換に合わせて修正しましょう。

スイッチ周りの配線

DCジャックには、アダプターをつないだら電池の+極を切りはなす機構があります(電池が充電されないようにするためです)。 この機構が壊れていて、アダプターを抜いても電池の9ボルトが供給されなくなっています。

DCジャックのスイッチ機構が壊れて

これはジャックの交換になります。

ちなみに発振の原因はフットスイッチの切り替えが中途半端になって、入力とエフェクトアウトとが出力にショートして、ガバナーの出力が入力にフィードバックしている可能性が高いです。

研究の結果、フットスイッチ交換とDCジャック交換で直る可能性が高いということになりました。

 


トリマー加工【ジャガーベースの配線修理-2】

先日手に入れた18Φのトリマービットで内部の空間を拡げてみます。 さらにベアリングを細くして4ミリ拡げます。

トリマー作業

新しいBB-04Wを取り付けました。

バッテリーボックスの取り付け

それはそうとトリマーで塗装を傷つけないためにマスキングをしたのですが、これがなかなか良かったです。

この養生がいい感じだった

通電できるようになったので異常な電流がないか試験をしましょう。 試験方法を考えます。


基板を修正する【スティングレイの配線修理-2】

ノイズの大きいボリュームポットを新品に交換して、電池の消耗を抑えるためのスイッチ機能を追加するためにステレオのジャックを取り付けます。

配線を分解

と、ここで、基板がいろいろいじられていることに気が付きました。 赤い線は上側の細い線がもとからあった線です。 ガラススリーブで絶縁してありますが収縮チューブではないのでスポッと抜けてもおかしくないです。 下の太い線がいま使われているバッテリースナップの線。

右下の白っぽい線は低音の調整に関わる紫色の代わりに出ています。 とはいえこの紫の線も先が断線しているだけで生きているようです。 そしてその線もガラススリーブが被せられているだけでちょっと不安です。

基板がいじられている

ここもオリジナルに近い状態に戻す作業をしましょう。 ボリュームとジャックだけ交換するつもりだったのですが、ここから戦線の拡大です。 過去に何度もこのプリアンプのレプリカを作っているので、この基板は得意です。

基板を確認する

ちなみにうちで作っているレプリカのテンプレートと現物のサイズ比較がこちら。

レプリカのテンプレートと見比べる

基板の裏面から出ている赤と白の線を取り除きます。 左上の先端が断線した紫の線をむき直します。

基板部

いま使われているバッテリースナップの線が太いので、通るように穴を拡げます。

穴を拡げる

本来の位置から赤い電線が出るようになりました。

電源を配線

ポット同士をつなぐアース線がありませんでした。 つまりポットやジャックの締め付けがゆるんだら音が出なくなる仕様ということです。 アース用の黒い配線を新しく追加してトラブルの少ない配線にしました。 同時に、基板から出ている他の電線のハンダ付けを全てやり直していきます。

配線が完了

ピックガードを止めるネジの穴がユルユルになっているところが2カ所ありました。

ネジ穴がダメになっている

軽く補修しましょう。 これが終わったら完成ですね。


18ミリのトリマービット

18Φのストレートトリマービットを買ってみました。 これに15Φのベアリングを付けてみたところが写真↓です。 ボディの表面はそのままに、中の方だけ1.5ミリ掘り広げられるはず・・・。

トリマービット

配線が引っかかって切れがちなゴトーガットのバッテリーボックスの配線を守れるのではないでしょうか?

さらに10Φのベアリングに交換して掘り広げたら4ミリの隙間を作れると思うのですが・・・。

結構な爆音作業になるのは目に見えていますね(笑) 角とかバックラしそうでこわいです。


原因究明【スティングレイの配線修理-1】

プリアンプが動かないという初期のスティングレイです。

スティングレイ

この時期のスティングレイはネックが弱いといううわさがありますね。 このネックも結構順反り傾向。 せめてトラスロッドの負担を減らすためにグリスをさしておきましょう。

トラスロッドにグリスをさす

ジャックは自分で交換したことがあると言うことでしたが、モノラルジャックが使われています。 確かに初期のスティングレイはモノラルジャックが使われていたはずなのですが、シールドケーブルを抜いたときに、プリアンプの電源がオフになって、電池の消耗を防ぐことができるステレオジャックに交換した方が良いです。

電池を交換するとプリアンプも動いているようです。 初期型スティングレイのイコライザーは反転アンプを使用しているので、電池がなくなってもオペアンプの帰還抵抗を通り抜ける形で控えめな音量で音が出るはずです。

オーナー様が「以前、楽器店に修理してもらったけれど、今はパッシブになっていると思われます」とおっしゃっていたのはそういう音の出方のことではないかと見ています。

モノラルジャック

ボリュームがバリバリいいます。 ここは交換しましょう。25kΩのポットが必用です。 これの入手については目星が付いていまして、先日のシンライン配線修理で抵抗値を間違えて持ち込んで頂いた25kΩのCTSポットをゆずってもらおうと思います。

ボリュームのノイズ

以前の修理の時に入ったのか、やたらゴミが出てきます。

ゴミが出てきた

こういうのもショートやそれにまつわるノイズの原因になるのできっちり掃除しましょう。