導電塗料を塗ったところをアース電位につないでいきます。
ポット同士の配線を先に済ませるためにこんな物を作りました。
スイッチの端子間の配線も終わらせたらキャビティに取り付けます。
スイッチとピックアップの線がどうなるのか今から心配です(苦笑) おおまかに言って、PUが12本、プリアンプが4本ですね。
ピックアップを分解していきます。 こういう感じになっていました。 おそらくボビンの材質の問題で、ビンテージスタイルのピックアップのようにハトメが打てないのでしょう。
中を見てみないと分かりませんが、おそらくハムバッカーのボビンのように一体成形になっているのではないでしょうか? コイルが四角く角張っているのでそんな気がします。 それにこの形式だと、ハトメを打ってから組み立てるということができないですよね。
細い線材をたくさん巻いてパワーを出しているように見えます。 なので、ワックスを解かしながらほどこうとしてもプチプチ切れてしまうのではないでしょうか?
ほどくことについてはチャレンジはしつつも、基本的には巻き直す方向で考えましょう。
最近外来ノイズが増えたというグレッチをお預かりしました。
弦アースが外れているようです。 中を見ると、エンドピンのところに配線がつながっています。 これが接触していないか、反対側のハンダが外れているかのどちらかだと思います。
金属製のノブが付いていますが、回すと人体がアースされたり外れたりを繰り返して、パチパチいいます。 程度が大きいので何とかしておいた方が良いような気がします。
ナットは4弦がかなりギリギリですが今回はこのままで。 フレットも減っていますが、弦高調整などをして一度お返しした上で、まだビリ付きが気になるようでしたらさらなる作業をご提案しようと思います。
サドルの位置はもう1~2ミリエンド側へ移動した方が良さそうです。 ブリッジが接着か粘着テープ固定されていて動かせません。 何でくっつけたか聞いてみましょう。 3弦が巻き弦に対応した位置なのが気になりますが、これはどうしようもないですね。
ネジが抜けてきていたので、ディッシュを2枚重ねて締め合わせたあと、ネジをブリッジに締め込んでおきました。
2枚締め合わせるとネジに固定されるのです。 ダブルナットとか呼ばれる方法ですね。
というわけで、配線を直してから全体調整をします。
以前フレットレス加工をしたJBです。
フロントピックアップの音が出なくなったそうです。 このベースはトーンポットがスイッチ付きになっていまして、シリーズ/パラレルの切り替えができます。
パラレルではフロントが出なくて、シリーズでは両方がでません。
症状からして、おそらくフロントピックアップのコイルか配線がオープンになっていますね。
外して計測してみました。 出力線の末端では絶縁状態です。
このピックアップはふたつのコイルでハムノイズをキャンセルしているようです。
黄色の矢印がコイルのコールドから出ている線の先です。 ここと緑の矢印があるところがつながっています。 銅箔テープが背面シールド用に貼ってあるようですね。 で、赤いところは出力線のコールド兼シールドになっている部分で、本来おそらくこれが銅箔テープを介して黄色いところにつながっている必要がありますが、ここに導通がありません。
無理に分解して銅箔が破れたりしても面倒ですし、また同じ症状がでても困るので、黄色と赤を直結しました。 銅箔テープは黄色のところから枝分かれしてちゃんとつながっているのでこれで問題ないです。
これで8.1kΩ計測できました(直流抵抗値は室温で変わるのでカタログと違うかも知れません)。 私もスプリットコイルのJピックアップを巻くことがあるので、このピックアップの構造も萌え萌えキュンキュンですが、ちょっと萌えキュン要素が複雑で(信号電流の経路にシールド銅箔シールが挟まっていると思われる)、音が出なくなってしまったようです。 クッションに押された力で銅箔へのハンダが剥がれたのでしょうか?
この銅箔シールは青いサインペンで印をしたポールピースにショートしています。 粘着シールなのでしょうか、物によってつながったりつながらなかったりしています。
おそらくポールピースに絶縁テープを巻いてからコイルを巻いていると思うのですが、古いJBのピックアップなどはコイルのエナメル皮膜やフォームバー皮膜がこすれて剥げて、ポールピースと導通しているものがあります。
万一そういうことがこのピックアップで起こると、コイル線の途中からアースに接続されて、ショート系の音出ずトラブルになることがありえます(3・4弦だけ音が出ないなど)。
ピックアップ単体でもシリーズ接続されていますし、このベースの場合はフロントとリアでもシリーズで鳴らせるようになっているので、ショートが起こるリスクがあるポールピースのアース接続は避けたいのですが、コイルの外からは調べようがないので、ポールピースに丁寧に絶縁テープが巻いてくれてあることを信じるしかないわけです。