ポットの配線【Carruther’sベースの配線改造-9】

導電塗料を塗ったところをアース電位につないでいきます。

導電塗料をアースにつなぐ

ポット同士の配線を先に済ませるためにこんな物を作りました。

部品を配置する

スイッチの端子間の配線も終わらせたらキャビティに取り付けます。

下準備

スイッチとピックアップの線がどうなるのか今から心配です(苦笑) おおまかに言って、PUが12本、プリアンプが4本ですね。


ピックアップの分解【STRの5弦ベース-3】

ピックアップを分解していきます。 こういう感じになっていました。 おそらくボビンの材質の問題で、ビンテージスタイルのピックアップのようにハトメが打てないのでしょう。

コイル部分

中を見てみないと分かりませんが、おそらくハムバッカーのボビンのように一体成形になっているのではないでしょうか? コイルが四角く角張っているのでそんな気がします。 それにこの形式だと、ハトメを打ってから組み立てるということができないですよね。

ハムバッカーのボビン

細い線材をたくさん巻いてパワーを出しているように見えます。 なので、ワックスを解かしながらほどこうとしてもプチプチ切れてしまうのではないでしょうか?

ほどくことについてはチャレンジはしつつも、基本的には巻き直す方向で考えましょう。


全体のチェック【グレッチの弦アース修理-1】

最近外来ノイズが増えたというグレッチをお預かりしました。

グレッチ

弦アースが外れているようです。 中を見ると、エンドピンのところに配線がつながっています。 これが接触していないか、反対側のハンダが外れているかのどちらかだと思います。

金属製のノブが付いていますが、回すと人体がアースされたり外れたりを繰り返して、パチパチいいます。 程度が大きいので何とかしておいた方が良いような気がします。

弦アースが見える

ナットは4弦がかなりギリギリですが今回はこのままで。 フレットも減っていますが、弦高調整などをして一度お返しした上で、まだビリ付きが気になるようでしたらさらなる作業をご提案しようと思います。

ナットが減っている

サドルの位置はもう1~2ミリエンド側へ移動した方が良さそうです。 ブリッジが接着か粘着テープ固定されていて動かせません。 何でくっつけたか聞いてみましょう。 3弦が巻き弦に対応した位置なのが気になりますが、これはどうしようもないですね。

サドル部分

ネジが抜けてきていたので、ディッシュを2枚重ねて締め合わせたあと、ネジをブリッジに締め込んでおきました。

ダブルナットでねじ込む

2枚締め合わせるとネジに固定されるのです。 ダブルナットとか呼ばれる方法ですね。

というわけで、配線を直してから全体調整をします。


音が出なくなったHumphry Suhr 65 JBNの修理

以前フレットレス加工をしたJBです。

以前フレットレス加工したベース

フロントピックアップの音が出なくなったそうです。 このベースはトーンポットがスイッチ付きになっていまして、シリーズ/パラレルの切り替えができます。

パラレルではフロントが出なくて、シリーズでは両方がでません。

フロントPUの音が出ない

症状からして、おそらくフロントピックアップのコイルか配線がオープンになっていますね。

フロントピックアップの配線

外して計測してみました。 出力線の末端では絶縁状態です。

オープン系の音出ず

このピックアップはふたつのコイルでハムノイズをキャンセルしているようです。

ピックアップの構造について

黄色の矢印がコイルのコールドから出ている線の先です。 ここと緑の矢印があるところがつながっています。 銅箔テープが背面シールド用に貼ってあるようですね。 で、赤いところは出力線のコールド兼シールドになっている部分で、本来おそらくこれが銅箔テープを介して黄色いところにつながっている必要がありますが、ここに導通がありません。

ピックアップの構造

無理に分解して銅箔が破れたりしても面倒ですし、また同じ症状がでても困るので、黄色と赤を直結しました。 銅箔テープは黄色のところから枝分かれしてちゃんとつながっているのでこれで問題ないです。

直接つないだ

これで8.1kΩ計測できました(直流抵抗値は室温で変わるのでカタログと違うかも知れません)。 私もスプリットコイルのJピックアップを巻くことがあるので、このピックアップの構造も萌え萌えキュンキュンですが、ちょっと萌えキュン要素が複雑で(信号電流の経路にシールド銅箔シールが挟まっていると思われる)、音が出なくなってしまったようです。 クッションに押された力で銅箔へのハンダが剥がれたのでしょうか?

音が出るようになった

この銅箔シールは青いサインペンで印をしたポールピースにショートしています。 粘着シールなのでしょうか、物によってつながったりつながらなかったりしています。

ポールピースがアースにつながっているところがある

おそらくポールピースに絶縁テープを巻いてからコイルを巻いていると思うのですが、古いJBのピックアップなどはコイルのエナメル皮膜やフォームバー皮膜がこすれて剥げて、ポールピースと導通しているものがあります。

万一そういうことがこのピックアップで起こると、コイル線の途中からアースに接続されて、ショート系の音出ずトラブルになることがありえます(3・4弦だけ音が出ないなど)。

ピックアップ単体でもシリーズ接続されていますし、このベースの場合はフロントとリアでもシリーズで鳴らせるようになっているので、ショートが起こるリスクがあるポールピースのアース接続は避けたいのですが、コイルの外からは調べようがないので、ポールピースに丁寧に絶縁テープが巻いてくれてあることを信じるしかないわけです。

 


ゴールドJBのピックアップ交換

以前にも何度かお預かりしているJBです。

ゴールドのJB

リンディフレーリンのピックアップが付いているのですが、交換することになりました。

リンディフレーリン

ブライトな方向にするためフェンダーのヴィンテージ系のモデルに交換します。 実測で7.1kΩと7.5kΩくらいでした(直流抵抗値は室温によってけっこう変わります)。 70年代のJBが7kΩくらいなので、倍音がきれいにでそうです。

交換する新しいピックアップ

配線を分解しました。

配線を分解する

新しいピックアップをとりつけました。

倍音のバランスが変わってブライトに

フレットに弦があたるときに出る倍音のピークも上へ上がって解放感が出ました。 腰が低めのピックアップにも高めのピックアップにもそれぞれに良さがあるので、どちらも捨てがたいですね。