以前フレットレス加工をしたJBです。
フロントピックアップの音が出なくなったそうです。 このベースはトーンポットがスイッチ付きになっていまして、シリーズ/パラレルの切り替えができます。
パラレルではフロントが出なくて、シリーズでは両方がでません。
症状からして、おそらくフロントピックアップのコイルか配線がオープンになっていますね。
外して計測してみました。 出力線の末端では絶縁状態です。
このピックアップはふたつのコイルでハムノイズをキャンセルしているようです。
黄色の矢印がコイルのコールドから出ている線の先です。 ここと緑の矢印があるところがつながっています。 銅箔テープが背面シールド用に貼ってあるようですね。 で、赤いところは出力線のコールド兼シールドになっている部分で、本来おそらくこれが銅箔テープを介して黄色いところにつながっている必要がありますが、ここに導通がありません。
無理に分解して銅箔が破れたりしても面倒ですし、また同じ症状がでても困るので、黄色と赤を直結しました。 銅箔テープは黄色のところから枝分かれしてちゃんとつながっているのでこれで問題ないです。
これで8.1kΩ計測できました(直流抵抗値は室温で変わるのでカタログと違うかも知れません)。 私もスプリットコイルのJピックアップを巻くことがあるので、このピックアップの構造も萌え萌えキュンキュンですが、ちょっと萌えキュン要素が複雑で(信号電流の経路にシールド銅箔シールが挟まっていると思われる)、音が出なくなってしまったようです。 クッションに押された力で銅箔へのハンダが剥がれたのでしょうか?
この銅箔シールは青いサインペンで印をしたポールピースにショートしています。 粘着シールなのでしょうか、物によってつながったりつながらなかったりしています。
おそらくポールピースに絶縁テープを巻いてからコイルを巻いていると思うのですが、古いJBのピックアップなどはコイルのエナメル皮膜やフォームバー皮膜がこすれて剥げて、ポールピースと導通しているものがあります。
万一そういうことがこのピックアップで起こると、コイル線の途中からアースに接続されて、ショート系の音出ずトラブルになることがありえます(3・4弦だけ音が出ないなど)。
ピックアップ単体でもシリーズ接続されていますし、このベースの場合はフロントとリアでもシリーズで鳴らせるようになっているので、ショートが起こるリスクがあるポールピースのアース接続は避けたいのですが、コイルの外からは調べようがないので、ポールピースに丁寧に絶縁テープが巻いてくれてあることを信じるしかないわけです。