ピックアップの入れ替えとシールドの製作

遠方から来ていただいたお客さんの作業をまとめて行いました。 まず2本のベースのピックアップを入れ替えます。

このジャガーベースはアギュラーが載っているのですが、プリアンプの増幅率が高いので出力を下げたいそうです。 ですので、このベースに載っている8kΩ台のピックアップをフェンダーJBに付けて、フェンダーJBからこちらに7kΩ台のピックアップを戻します。

ピックアップの交換作業

配線がややこしいです。 とりあえず機能を解析するのは後にして、記録だけ取った状態でピックアップだけ入れ替えます。

配線が複雑

JBの方はややファットになってこちらもいい感じです。 70年代のあっさりした感じから、ねばる感じが強くなりました。

ピックアップの交換作業

その後はシールドケーブルの製作です。 もともと7メートルのベルデン#8412ケーブルがありまして、それを3本に分けるという作業です。

#8412

皮膜をはがして、網線をほぐします。

#8412

網線の中にある繊維を切り取ります。

#8412

網線をまとめたところ。

#8412

このシールドはもともと、網線がコールド(アース共通)で2本の白黒線がホットという構成になっていました。

網線シールドを片側アースにして、白黒のどちらかをホット、もう一方をコールドにする方式もありますが、なんだかんだ言って2本ともホットにしたときの方が楽器向きな音がするという人が多いですね。

網線だけがアースにつながっている場合と、もう1本アースにつながっている場合では当然、ホットとコールドの線間容量にも変化があるので、同じ長さのケーブルでも音が変わるのは間違いないです。 試したい方はいろいろ自作して比べてみても面白いと思います。


ピックガードのエッジをとがらせる

現存のベッコウ柄ピックガードのなかで一番ビンテージに似せられるのはモントルーのリアルセルロイドピックガードではないかと思っています。

しかもエッジを30°くらいまでとがらせると、さらにレリックの楽器に似合う見た目になりますね。

ピックガードのエッジをとがらせる

今まではエッジを削った後、紙やすりで細かく番手を変えながらピカピカに研磨していたのですが、研磨の最中に角が丸くなりやすいのです。

研磨中にダレやすい

今回は320番と600番、そしてコンパウンドを付けた布と工程を3段階に絞ってみました。  案外つやも出ましたし、白い層をアピールできているように見えます。

意外につやも出た

こんな見た目になりました。

レリックしたピックガード

同じ加工が必要な方はこちらのメールフォームからご連絡下さいませ。


ポットのチェック機「ポットチェッくん」の作り方

ボリュームポットやトーンポットを回すとバリバリとノイズが出ることがあります。 音の出ない楽器の修理をすると、配線を終わらせてからポットのノイズに気がついて二度手間になることがあります。

あるいは、新しいポットに交換したのにその新しいポットがノイジーだったりすることもあります。

ギターから音を出しながらツマミを回さないとノイズが出ないことがほとんどです。 なので、ポットにギターをつないで音だししながらチェックすることができる機材を手作りします。

材料はこちら。

材料

ケースにはジャックを取りつける穴を2個あけておきます。

穴開け

ボリュームとして配線できるように、イン、アウト、アースの3本をジャックに取りつけます。

配線の取り付け

ハンダ付け部分を壊さないように、熱収縮チューブで保護しておきます。

熱収縮チューブで補強

ケースに組み込みます。 自分で使う機材なのでジャックどうしのアース配線は省略してあります。

組み込み

できあがったポットチェック機です。 ギターを鳴らしながらボリュームを回せばポットのノイズを調べることができます。

ポットチェック機

以前作った「ポットチェッくん」はラムトリック社に置いてきました。 作ろうと思いつつ、そう言えば3年も作っていませんでしたね。

 


ピックアップのコイルを巻く

昨日、組み上げたボビンにコイルを巻きました。 フロントピックアップはAWG43ゲージの少し細い線、リア側はオーソドックスなAWG42ゲージを使います。

巻き上がったピックアップ

ワックスポッティング前にリア側に糸を巻きました。

ワックスポッティング前

ポッティングが終わったら冷ましてから着磁します。