すり合わせとノイズ処理【ES-335のネット交換-2】

接着した部分が乾きましたので仕上げました。 おそらくこれで問題なく使えます。

割れの修正が完了

ヒーターが一発でそこそこいい感じに効いてくれたので、すり合わせもしていきます。

フレットすり合わせの準備

すり合わせをし終わったところです。 フレットの頂点を丸めるやすりを使っています。

フレットのすり合わせ

ナットを取りつけるところにたまった接着剤を取り除いていきます。

ナット交換

粗加工をすませた牛骨ナットを取りつけました。

粗加工牛骨ナット

成型して、弦溝を切っていきます。

ナット溝を切る

弦が張れました。 これで完成のつもりだったのですが、ヘッドホンで音を確かめていると5・6弦を弾いたときにどこかからファサファサとノイズが出ます。 弦を触っていると消えるので、アース関係が微妙に接触していて振動に合わせて悪さをしていると思われます。

弦が張れた

あちこち触っていて分かったのは、フロントピックアップのつり下げネジをいじるとそのノイズが出るということです。

フロントピックアップ周りからノイズが出る

この80年代くらいのギブソンについている、ベースプレートが基板になっているタイプのハムバッカーが悪さをしているようです。

PAFの場合、ベースプレートはアースされた金属なので、ネジもバネもアース電位に繋がります。 ですが、このタイプの場合は絶縁性の基板素材に接しているのでアースにつながりません。

振動に合わせて金属製のピックアップカバーにバネがあたったときだけアースにショートしたりオープンになったりするのでファサファサいっているのです。

ハムの取り付けビスからノイズが出る

ちなみにリアピックアップは、たまたまカバーにバネがあたらないらしく、ノイズは出ません。

リアは完全に絶縁されていてノイズが出ない

宙に浮いた金属はノイズを寄せ付けるアンテナになりがちなので、できればアースにつなぐことで対処したいのですが、簡単な方法はありません。

ですので、今回はネジとバネを金属カバーから絶縁する方向の処理をしました。

絶縁テープを貼った

バネがあたりそうなところに、ハムバッカーのコイルに巻く絶縁テープを貼りました。

これでノイズが出なくなったのでお返ししたいと思います。 レコーディングに使う楽器なのだそうです。 もしかしたらネジとバネの絶縁が一番大事な作業だったかもしれませんね。