フレットをピカピカにしました。
弦を張っていきましょう。
メイトンというアコースティックギターです。 秦基博さんが弾いているのでご存じの方も多いでしょう。 ジャックがバリバリ言うというのでメンテナンスしましょう。
こういうテープ式の配線でつながっているようです。
何か基板が出てきました。
両面基板でパターンが見えない上に、ジャックのスイッチが絡んでいる回路なのでよくわかりません。 出力保護回路がここに乗っているようです。
結局、中にたまったネコさんの毛が、電池をオンオフするスイッチ機構にからまっていたのが不調の原因だったと思われるので、ジャックを交換するのはやめました。
ジャックも珍しいスイッチ機構付きなので、販売楽器店経由でオーストラリアのメイトン社に送って修理してもらうか、部品を個人輸入してリペアショップ部持ち込むとかしないとジャック交換ができないのではないでしょうか。 販売店が部品を持ってくれているかも知れないので買ったお店に相談した方が早いですね。
ジャックに付けられたロックワッシャーがあまり効いていなくて、外から締めようとすると、中身が一緒にクルクル回ってしまっていたので、内径が同じ大型のロックワッシャーに交換しておきました。
これは私が勝手に想像したシナリオなのですが、プリアンプのメイン基板を設計したときに、ギターのシールドケーブルの容量性負荷かなにかを見落としていて、シールドをつないでみたらピーーーっと発振したとかで、ジャック部分に予備基板をわざわざコストをかけてまで取り付ける必要がでて、それゆえエンドピンジャックをあきらめざるを得ず、演奏していると一番ホコリがたまりやすいところに電源スイッチの端子が来てしまった・・・みたいなことが起こっているような気がします。
ノイズ対策・発振対策は設計時に対処するのが一番コストダウンになるというやつですね。 エンドピンジャックはその点、ボディ内側からホコリが入る心配はないですね。 立てかけておくと穴は下を向きますし。
と、ここで1枚目の写真を見返して頂くと、ネコさんの毛がたくさんたまっているのが見えると思います。 この楽器の構造上の個性だと頭に入れて付き合うのが良いと思います。
で、今後の具体的な対策なのですが、Amazonで踏み込み式のエアポンプ(プールで浮き輪をふくらませるヤツ)を300円で買って、弦を交換するときにベランダでプシュプシュしつつ、それをニャンコさんに邪魔されるというチャーミングな方法に決まりました(笑) メイトン弾きの皆さんは一家に一台どうぞ(多分ジャックやそのスイッチ自体の耐久性はちゃんとあります)。
断線してしまったジャズベースのピックアップが届きました。
本当に断線しているかどうか調べてからほどきましょう。 コールドの配線がグルッと回っていて何かあった形跡があります。 ハンダごてをあててみます。
コイルワイヤーとハトメの間で絶縁が起こることがあるので、熱してみましたが変化がありません。 ワイヤーの皮膜を削って1と2、3と4の導通を確かめました。 これは間違いなく断線していると言って良いでしょう。
コイルの巻き終わり側で断線している場合、少しほどいて断線箇所が見つかれば、修理が可能です。
100ターンくらいほどきましたが断線箇所は見つかりませんでした。
これではまき直しするしかありませんので作業に取りかかります。
埋め木したところをノミで整えます。
新しいブッシュを入れていきましょう。
ブッシュが浮いているのですが、そもそもヘッドが反っているのが原因なので無理にトップ面にピッタリ入れようとはしないことにします。
この楽器はトップ面が凸裏面が凹でしょうか。 今預かっている楽器で、ヘッドの両面が凸というのもあるのですが、それは研磨がダレているのでしょうか。
ヘッドがこうやって反るのは珍しいことではないのですが、新しいペグを取り付けるのはとても難易度が上がります。 穴がそもそも真っ直ぐではなくなっているので、ペグがどこかに引っかかって硬くなってしまいがちです。
新しいネジ穴をあけます。 下に写っているようなミラーがあるとドリルビットが真っ直ぐ入っているかが分かりやすくなります。 ビットを通すように加工部分に置くと、鏡像とビットの両方が見えるので、角度のズレが2倍に見えるのです。
1カ所やり直しました。 ただでさえ3連のペグなので、取りつけがシビアなのですが、ヘッド面の湾曲でさらにややこしいことになっています。
と言いつつ、取り付けはものすごく上手くいきました。
全部のツマミが調子よく回ります。