弦が通る部分を今まで貫通穴にしていたのですが、弦の摩擦が大きくてベンダーの動きが良くないので切り欠きに変更します。
まずは目立てで位置をしっかり決めましょう。
.105インチのナットファイルで攻めましょうか。
今回は長めにお預かりしてしまったのでフレットが曇ってきてしまいました。お返しする前に磨いておきましょう。
弦を張ってみたとことです。弦がブリッジプレートと干渉することがなくなりました。
最終調整をしたらお返しすることにしましょう。
配線を始めるにあたって元から付いていたミュージックマン・タイプのピックアップのチェックをしていて困ったことに気がつきました。
片側のコイルが断線しています。テスターで計測しても反応しません。 お預かりするときに「トーンがボリュームのように効く」という話があったので嫌な予感がしていたのですが。
分解前に鳴らしたとき、かなりスッキリとした音だったので並列配線なのかと思っていたのですが、実際には直列で配線されていて片側がオープンという状態でした。
向かって左側のコイルが切れています。
回路図っぽく描くとこんな感じ。
コイルが断線すると直流的には絶縁になりますが、交流的には線間容量でつながっていますので高域だけが漏れてきます。 高音しか出力されていないので、トーンを絞ると音がほとんど出なくなるという現象が起こります。
ピックアップをアンプに直結できるケーブルで改めて試してみましょう。
これは過去珍しいぐらいに音漏れがする断線ですね。オーナーさまも全く気がつかずに気に入って使っていたそうで、私も弾いただけでは判断がつかないくらい大きい音がでます。ポールピースを鉄製の工具でたたいても同じくらいの音量でしっかりカンカンと鳴ります。
アイレットの部分で絶縁が起こることもあるので一応ハンダで加熱をし直してみました。 ヤニの性質上ハンダの粘度が低いアルミットを使って浸透させてみます。
やっぱり直りませんでしたね。 そもそも大きな音で漏れるということは、コイルの中程で切れている証明でもあるのでこれはしかたがないですね。
オーナーさまに御相談したところ、とりあえず今回は新品に交換しつつも、このピックアップはエフェクト的なサウンドバリエーションとしてむしろ貴重な個体なので大切に保存しようということになりました。
確かに、こんなにも上手くコイルの中央部で断線することはまれですね。 これはユーザー目線の新しい考え方ですね。 とても参考になります。
塗装ブースがあっても、ホコリが舞わない乾燥室がないときれいにボディを塗装することができないので、普段はお付き合いのある専門の塗装職人さんにお願いしています。
ですが、レリック加工のベースを2本製作する予定がありまして、吹き付ける工程を特別な手順にしたほうがいいのでは?と思いついたところで、自分で吹くことを思い立ちました。
というわけでホームセンターで一番大きな段ボールを2枚購入してきました。 とにかくでかい!ちょっと邪魔です(笑)
ちなみに初号機はこんな感じでした。引っ越しの段ボールを切り抜いて作ったもの。 もう1年半も前ですか。 缶スプレーで小物を吹くならこれで十分使えましたよ。 何ごともやってみないと分からないものです。
さあ、さっそく組み立てていきましょう。今回は2個縦に連結して大きくしますよ。 こういう工作時にガッツリと太めに線を引くために「プレスマン」という、昔の新聞記者が速記文字を書いていたシャープペンを持っています。 棚とか作るときに便利でしたよ。
枠を30ミリ残して切り欠いていきます。
合体したところがこちら!
次は奥に円い穴をあけて換気扇に直結しつつフィルターを付けます。