ベースをうつぶせにするとピックアップがカタカタと音をたてながら動きます。 中を開けてみましょう。
リッケンバッカー特有のゴムが入っていました。 調整幅が少ないのが原因のようですね。
とりあえずストラトのピックアップ固定に使われるゴムに交換して固定してみました。
ピックアップの入れ替え作業をしていて気がついたことがあったので書いておきます。
これがトーカイに載っていたアンバーのP-90タイプです。 こうして近づけるとくっつきます。 逆巻き逆磁極になっているので、センター時にハムノイズをキャンセルします。
で、こちらがギブソンです。 同磁極なのでくっつきません。 つまりハムノイズをキャンセルしない仕様になっています。
ブリッジ側はN極。
ネック側もN極です。
ちなみにブリッジ側は8.09kΩ。 (直流抵抗値は気温でどんどん変わるので参考ですが)
ネック側が8.07kΩ。 おそらくネック側ブリッジ側の違いはなく同じものが付いているということでしょう。 スペシャルの発売当時の仕様は詳しく知りませんがこれがビンテージに忠実ということなのでしょうね。
ということは、これを逆巻き逆磁極にすれば、スイッチがセンターの時、レスポール・スペシャルのハムノイズは今より減らすことができるということではないでしょうか。
P-90はシングルコイルであるだけでなく、コイルの形状が平たくてループ・アンテナになって電磁ノイズを受ける面積が広いです。
私が同行させて頂いたWILLPOLISツアーでも会場建物に備え付けられている客電が電磁ノイズを出していて、レスポール・スペシャルがそのノイズを拾うことがありました。 もしかするとピックアップの改造で良くなるかもしれませんね。
もちろん磁力線の流れが変わるので音に影響がないとは言えないわけで、BUMP OF CHICKENのような音作りが極めて繊細な現場ではじっくり試す必要があるとは思います。
配線は分解すればホットとコールドの入れ替えができそうです。 フェンダーのようにポールピースに直接コイルを巻いているわけではないので、コイルの巻きはじめと巻き終わりどちらをホットにしても問題はないと思います。
マグネットはワックスでくっついてはいますが、少し力をかければ外れるようなので内と外を入れ替えることで逆磁極にできそうですね。
トーカイとギブソンで配線を通す穴のあけ方が違います。 ギブソンはジャックからトグル・スイッチまで一直線。 トーカイはネックをセットする前に小口から真っ直ぐドリルで付いてあります。
そのため、ギブソンのピックアップをトーカイに移植しようとすると線が短くて届かないことにきがつきました。
網シールド線を長いものに交換する必要が出てきました。 本体にブラス・プレートを固定しているネジ2本を外します。
白が編み線に、黒が芯線に配線されています。ギターの内部配線には珍しい夕食ホット(有色がHOT)方式ですね。
もとどおり紙テープでHOTを絶縁したシールド線をワックスで固定し直します。 アロマキャンドルを使ったのでほんのりバニラです。 ギブソンのハードケースの臭いに似ています。 ビーズワックスはヤニ臭いので。
配線が完了したところがこちら。 元通りなので特に変化はありませんが。
弦を張って完成です。
ギブソンはすんなり付いてくれました。 こちらはこのあとモントルー製のバダス型ブリッジの装着が待っています。