導電塗料再塗布の結果確認【2TSBカスタムショップストラトのネック修理-7】

昨日塗り足した導電塗料の効果を確認します。

導電塗料の導通を確認

1センチの距離で測った抵抗値が、235Ωあったのが19.8Ωまでさがりました。 ひと桁変わりましたので、これならしっかり効果が出そうですね。

ギターを歪ませたら、CTSポットのボリュームを0にしてもアンプから音が漏れる現象がよくありますが、あれってたった50Ωくらいでそういう症状が出てしまいます(50キロΩではありません。3桁低い50Ω。)。

ということは導電塗料もそれくらいは低くないと外来ノイズ電流をアースにショートしてノイズのボリュームを0にしているとは言えないわけです。

1センチで測っているので計測距離が離れれば抵抗値は上がりますし、実際は導電塗料からさらに電波として配線のホット側に飛び込まないとノイズとして乗らないはずなので、単純比較は出来ませんが参考になる数値だと思っています。

組み立て直したところ

次はネックが塗装屋さんから帰り次第、フレットとナットです。


配線のオーバーホール【2TSBカスタムショップストラトのネック修理-6】

いろいろカスタマイズされた配線だったのですが、今回一度リセットしてみようと言うことになりまして、配線のオーバーホールをします。

分解していきましょう。

配線を分解していく

こちらが元の配線。 ビンテージワイヤーですね。

元の配線

ひとつ気になったのが導電塗料です。 抵抗値が高いのでもう一回全体を塗り足します。

導電塗料の抵抗値が高い

キャビティ同士は導通がありません。 あくまでもピックガードやジャックプレートをネジで締めたらグラウンドされる仕様のようですね。 今回は配線材もご指定でお送り頂いていますので、電線を増やさずにこのままの仕様を踏襲しようと思います。

導電塗料同士は導通していない

トーンが改造されていますね。 ネック&ミドル用トーンとブリッジ用トーンになっています。 ここもこのままの仕様にします。

トーンの構成がカスタマイズされている

ポット間の配線が完了しました。 ご指定通りハンダメッキされていないワックスなしの黄色と黒のクロスワイヤで配線しました。

ポット間の配線が完了

ピックアップからの出力線の改造もしました。 こちらはワックスにつけ込んだクロスワイヤですね。

できあがったアッセンブリーがこちら。

ピックアップからの線も交換した

熱収縮チューブも使わないで雰囲気を重視しました。

 

 


フレット音痴なギター

解放でチューニングした後コードを弾くとどうもフレット音痴な気がするという理由でお持ち頂いたギターです。

本当にフレットの位置が間違っていたという例も某工場で実際にあったそうですが、フレット以外の部分の調整が足りていない場合がほとんどではないでしょうか?

このギターの場合2弦と6弦のフレット溝が浅く、ローフレットを抑えるとチョーキング状態でシャープしていました。 溝を適切なところまで深くしました。

ピッチが悪い原因その1

ブリッジが少し前めについているのか、オクターブチューニングをし直すと結構後ろの方へサドルが移動しました。

3弦のサドルがどうしても下がりきらないので反対向けにしました。

ピッチが悪い原因その2

これでチューナー上では気にならなくなったのですが、どうも溝の形かナットの材質的なものなのか、原因がわからないのですが弦が引っかかります。

溝をV字に広げることでだいたいは対処できるのですが、このナットはそれでも良くならないですね。 摩擦の大きい牛の骨というのもあったりするのかもしれないので、今回はナット交換にしようかと思います。


手巻きピックアップの製作【フレットレスJBの組み込み-13】

手巻きと書きましたが動力はモーターが付いています。 手送りが正確でしょうか。

コイルが2層になっているジャズベース用ピックアップで、内側が70年代風のターン数で巻いたコイルで、少しでもビンテージの仕様に似せようと、この金色っぽいフォームバー皮膜線を使っています。 材質や皮膜厚で線間静電容量が変わるので素材を合わせることには意味があります。

フォームバー皮膜線を巻く

コイル全体で、60年代風のコイル量になるように、フォームバー皮膜線のコイルの上にエナメル皮膜線を巻き足します。 60年代初期はエナメル皮膜線が使われていたので、外側のコイルだけでもこの材質を使います。

エナメル皮膜線を巻く

スイッチポットでファットな60年代風とブライトな70年代風を切り替えられるピックアップが巻き上がりました。 この後、ワックスポッティングと着磁ですね。

完成したジャズベースピックアップ

ピックアップのコイルを巻くのは我ながらすごく上手いです。 このピックアップについての製品詳細ページはサイトのこちらに。


ルーティングと接着【レスポールのネック修理-12】

ぐちゃっとめり込んで割れてしまった部分は口が閉まらないのでトリマーで粉にしました。 ここをあの手この手で埋木します。

ヘッド部も一部割れていたのですが、ここまで掘れば圧着できそうです。

はがれているヘッド部を接着

ちょっと手数が増えましたが方針は見えているので少しずつ進めます。 手間がかかっていますがいろいろ発見があって面白い修理です。