フレット溝の修正【Custom Classic Jazz Bassのオーバーホール-4】

フレット交換の前にフレット溝を修正しておきます。 新しく打つフレットの足の幅に合わせた溝を作り直すために、まずは0.5ミリまでせまくします。

フレット溝を埋める

フレット溝を幅を決めるためのノコギリは0.03ミリきざみで4種類持っています。

フレット溝の調整

今回は全体的にせまめです。

溝の深さは今回のフレットの1.5ミリに合わせてあります。 少し深めに、なおかつ、後でサイドを埋めなくても良いくらいに深すぎず。 こういうところが難しいですね。

ジェスカーフレットの紹介もしたいですね。 ネックにいろんなジェスカーフレットを打ってサンプルを作りたいですね。


指板の接着【レスポールのネック修理-23】

指板を張る前に最終チェックをします。

指板を張る前の最終チェック

接着剤を塗ったら、素早くクランプをかけなくてはいけません。 ですので、いざそのタイミングでアレがないコレがないとなると大変ですから、接着する前に一度同じ作業を通しでします。 「接着のゲネ」という工程があるわけです。

クランプのリハーサル

持っているクランプ、ほぼ総動員で締め込みます。 やわらかいネック材なので、どちらかというと逆反り状態で接着されるようにヘッドを作業台から逃がしています。 バランスを取るためにボディにはおもりが乗っています。

指板の接着

接着に使用している治具は4年くらい前に作ったものです。指板の両サイドをハの字に押さえつつ、ネジを締めることで中央のラインも押さえることができます。

指板張り治具

次はフレット溝を修正していきます。


ヒーター修正【Custom Classic Jazz Bassのオーバーホール-3】

ネック全体にヒーターをあてました。 特にハイポジションに強い順反りがあったので、そこを狙ってクランプをかけました。

トラスロッドの動きが悪いのでグリスをさしました。 木がせまいような気がするので、ロッドナットに紙やすりを巻いて研磨してみても良いかもしれませんね。 ちょっと考えます。

トラスロッドナットにグリスを塗る

ヒーター修正した結果、ものすごく逆反りました。ローポジションにストレートエッジ(直線定規)をそわせると、ハイポジションでこんなにも隙間ができます。 ヒーターが効きやすい接着剤で指板を張ってあるような気がします。

ヒーター修正後

フレットを抜きました。 フレットを抜く時に剥がれた指板をおさえるために接着剤が付いています。

フレットを抜く

ヒーターの効き具合について調べたかったので一度弦を張ってみました。 逆反らせすぎかと思ったら、良い状態になっているようです。 このままフレット溝を狭めにしてから打ち替えて、それでもし逆反りすぎたらヒーターで戻せば、弦を張った後も安定しそうな気がします。

このあたりは経験からそう判断しているだけで、どうなったらどうということは説明できませんね。

弦を張ってネックの反りを見る

1弦側のハイポジションの指板が薄いです。 フレット溝の深さをフレットの足に合わせてノコで調整していきますが、もし指板の厚さが足りないようでしたら、バインディングのあるネックのようにフレットの足を両端カットして溝を埋めるような仕上げ方をします。

1弦の最終フレットあたりの指板が薄い

次はフレット溝の修理です。

ピックガードの裏に一部、銅箔シートを貼りました。 比較的広めに掘られたピックアップキャビティとコントロールキャビティがつながっているのですが、そこにプリアンプの基板があるので、そのシールディングが目的です。

銅箔シートを貼る

コントロールパネルをとめるネジ付近からアース電位につなごうと思います。

 


レリック塗装(下地1日目)【PBの組み込み-8】

下地の塗装を初めていきます。 1発目は刷毛塗りしています。 多少のでこぼこは研磨するので関係がないからです。 ラッカー塗装の場合、その上に塗る塗料が下の層を溶かしてしまうので、2回目からはスプレーガンが必要になりますね。

下地塗装1日目

ネックも塗っていきます。

下地塗装1日目

乾燥したら一度磨いてから塗り足します。


配線のオーバーホール【Custom Classic Jazz Bassのオーバーホール-2】

配線を分解していきます。 こちらが元の配線。

元の配線を外す

裏返したら、ゴミが出てきました。 こういうこともあるので、工場出荷のままではなく、一度手を入れてから使うのが良いですね。

エレキ楽器は機械工具が発明された後に生まれた楽器なので、工場で作る部分も多いのですが、その1本のために改めて手を入れるとグッとよくなります。 とても大切なことだと思うので私はそれを仕事にしています。 同じ作業が必要な方はぜひこちらのメールフォームから御相談下さい。

ゴミが出てくる

配線を分解しました。 テスターを突き刺して抵抗値を測るのですが、導電塗料の塗り方が薄くて、抵抗値が高いです。 また、リアピックアップの導電塗料がアースにつながっていません。 これではノイズをシールドする効果はありません。 それどころか、電磁ノイズを集めるアンテナになってしまいます。

配線を外した

導電塗料は2日に分けて2回塗ります。

導電塗料を塗る

コントロールパネルのネジ穴を埋めました。

ネジ穴を埋めた

配線をやりなおしていきます。

配線を整える

アース線を引き回します。 リアピックアップキャビティの導電塗料をアース電位につなぎます。 ブリッジアースの線も一緒にまとめました。

導電塗料にアースをつなぐ

コントロールパネルの方と合体していきます。 かなりスッキリしましたね。 こうしておけば、今後もしトラブルがあったとしても問題箇所がわかりやすいですし、トラブルの防止にもなります。

配線を進める

コントロールパネルのネジ穴を新しくあけなおしました。

コンパネを取りつける

次はネックの修正です。