ノイズ処理とピックアップ調整【ESPのネックオーバーホール-6】

ナットを加工して、弦が張れるようになりました。 ネックのコンディションには問題がなさそうです。 フレットの交換は上手く行ったと思われます。

ネックのセンターが気になります。 少し弦が4弦側によっています。 ここも修正しましょう。

ネックのセンターがずれている

これ以上フレットの頂点を削る必要はないと分かったので、フレットの仕上げに入ります。

フレットを磨いて仕上げる

リアピックアップのノイズを少しでも減らしたいということなので、ノイズ処理の状態を調べます。 PJのピックアップ配列(フロントがプレベでリアがジャズベ)は、どうしてもリアのノイズが気になります。

フロントPはふたつのコイルで拾ったノイズを打ち消し合いますが、リアのシングルはノイズを打ち消し合う相方がいないからです。

もしリアのコイルをふたつに分けることができれば、リアのJBピックアップ単体でもローノイズに再生できます。 そういうピックアップの製作もしていますのでご興味がおありでしたらこちらのリンクから弊社サイトをご覧下さい。

リアピックアップキャビティ

リアに導電塗料が塗られていません。 しかもフロントの導電塗料はどこのアース電位にもつながっていません。 こういう浮いた導体はノイズを集めるアンテナになって返って悪さをします。

導電塗料がアースに繋がっていない

リアピックアップに関しては、ポールピースもアースにつなごうと思います。 そうすることで前面からのノイズも多少は減らすことができます。

ポールピースをアースにつなぐ処理

リアキャビティに導電塗料を塗ってアース電位につないだところです。

導電塗料にアースをつなぐ

コントロールキャビティの側面にもラグを打ってアース周りの配線を整えます。 他の配線はもとのままです。

アース周りの配線を追加

ネックポケットの4弦側に薄板を入れました。 これでセンターが修正されます。 写真の加減で1弦側によって見えますが、正面から見たらこれで左右均等に弦が通っています。

ネックのセンターを修正する

弦を張り直したところです。

弦を張ってみる

フロントピックアップの音がリアより大きかったので、フロントを下げめに、リアを上げめにしてみました。

ピックアップの高さ調整

リアピックアップの下に入れた新しいクッションが上手く効いています。

ネックが安定したらお返しできそうです。