VOXにフレットを打つ

ジェスカーのフレットが届いたのでフレットを打っていきましょう。 24本カットを仕入れましたが、指板の幅に合わせて各フレットをもう少しカットしていきます。

フレットをカット

バインディング付きのネックなので、バインディングを避けるために両端のタングをカットしていきます。

両端のタングを切る

残ったバリを削り取っていきます。

タングの痕を研磨する

指板のRに合わせて曲げていきます。

フレットを曲げる

フレットがねじれていないか横からチェックします。 ここまでの作業がリフレットではとても重要なのです。 地味な作業ですがじっくり時間をかけて進めるようにしています。

フレットのねじれがないかを確認

実際にフレットを打つ作業ですが、ここは結構あっさりと終わります。 愛用の圧入機です。

フレットの圧入

フレットの端をさらに短くカットします。 エンドニッパーで押しつぶされるように切れるので、短く切りすぎると形が崩れたところが残ってしまいますし、長く残しすぎるとやすりで削る作業が大変です。

余ったフレットをカット

やすりで削っているところ。

フレットの端をやすりで削る

フレットの端がスパッときれいにキノコ型です。

フレットの端をやすりで削る

フレットエンドドレッシングファイルで粗く丸めます。 すり合わせが終わった後で、改めて仕上げように丸めるのでここは粗加工。

フレットの角を丸める

ここまでの作業でフレットが浮いていないかを確認します。

フレットが浮いていないか確認

フレットのすり合わせ作業をして、指板の角を丸めています。

フレットのすり合わせと指板エッジの加工

指板研磨するときに、どうしても指板の角が出るところがあるので、このあたりで握りやすく丸めます。

次はナットを付けて弦を張っていきます。 それでフレットに問題がなければピカピカに仕上げます。

ゼロフレットのあるギターなので、ゼロにジャンボフレットを打ってみて、高さが足りないようであれば、他のフレットを削って下げることにします。 フレットのスペック表が正しければ大丈夫だと思います(と言いつつフレットのスペック表の間違いをひとつ発見しましたが笑 実測は大事ですね。)。

 


スプレーガンの分解清掃

スプレーガンの調子が悪いので軽く分解清掃します。 人から借りているのに整備不良でつまらせてはいけません(笑)

ニードル付近が汚れていて、塗料が霧にならずにちょろちょろでます。

スプレーガンの分解

霧が出ても、なぜか平吹きにならず円く出ます。 それはこの赤い丸のところが詰まっているからです。

空気穴がつまっていた

スプレーガン型エアブラシというかなり無理のあることをアネスト岩田の技術力でなんとかしてあるものなので、こういうところはきちんとメンテナンスして使わないとシビアなんでしょう。

使用後にもう少し丁寧にお掃除することにします。 プレベの下地研磨が終わったらクリーム色のサーフェーサーとフィエスタレッドを塗ります。

 


本当に本当の最後の調整【ESPのネックオーバーホール-10】

いろいろ追加で作業したので順番が前後していますが、今度こそ最終調整です。

旧ブリッジの良くないところを隠すために追加していたシムを取り除きます。 0.3ミリを取り除いて0.5ミリを残します。

また、1弦側の側壁に0.5ミリの薄板を設置しました。 ネックがセンターずれしないようにするものです。

シムの調整と1弦側壁の薄板

1弦のリアピックアップ付近を思いっきり弾くと弦が暴れてブイーンとなる現象は、ブリッジを変えてかなりましになりましたが、セッティングによって少し残ります。

おそらくサドル上で弦が上下に揺れているのですが、ピックアップの配線などが共振している可能性もゼロではないと思ったので、一度ピックアップを外して確認しました。 ここではないですね。

一度ピックアップを外してみた

ちなみに写真を掲載していなかった部分です。 リアピックアップのポールピースをこんなふうに銅箔を通じてピックアップのコールド線につないであります。

銅箔テープは導電塗料でポールピースにつないであるわけです。

ポールピースをアースに落としたところ

気になるところは全部修正できたのでとても弾きやすく、音も弾いていて楽しいベースになりました。

ESPのベース


部品の取り付け【初期型スティングレイ回路のアウトボード化-2】

基板に部品を取りつけていきましょう。 今回は2.2MegΩの抵抗もカーボン抵抗で入手できましたので、すべて材質がオリジナルと同じ部品で構成できました。

とは言え、その部分の抵抗は乾電池の9Vから半分の4.5Vを作るための抵抗で、交流的にはタンタルコンデンサでショートされているので音質には関係なさそうではありますね。

部品の取り付け

この基板に、出力保護抵抗を追加することにします。 出力保護抵抗はタンタルコンデンサが電界コンデンサに仕様変更になった頃に追加された経緯があります。

フルボリュームで鳴らすと、オペアンプの出力がシールドケーブルに直結するので、シールドのコンデンサ成分(キャパシタンス)によって容量性負荷発振しないようにしたり、ケーブルの先がショートした時にオペアンプが壊れないようにするためのものです。

出力保護抵抗

この米粒のような部品が抵抗器です。 見た目にも初期個体に似たものを作っているので、この抵抗は基板の裏側にひっそりと表面実装します。

今気がついたのですが、お箸の文化がない地域のエンジニアさんは、テスターをこういうふうに使えないのでしょうか?

 


プリアンプのレプリカを製作【初期型スティングレイ回路のアウトボード化-1】

初期のスティングレイには2バンドのイコライザーが登載されていました。 その頃のプリアンプのレプリカを基板からフルスクラッチして、アウトボード化したものを製作していきます。

初期型スティングレイのプリアンプを作る

基板の形状、タンタルコンデンサやセラミックコンデンサなど、できるだけ素材も似せて作ります。カーボンで入手困難な抵抗値の高い抵抗だけ金属被膜になります。 ICも当時使われていたものと同じ型番のものを使用します。

基板を板から切り出す

まずは基板をカットしていきましょう。

基板を板から切り出す

続いて穴あけです。

基板の穴あけ

その穴と穴をレジストペンでつないでパターンを描いていきます。

パターンを描く

エッチング作業です。 この時、ペンで描いたパターンだけが溶けずに残る仕組みです。

エッチング

できあがった基板はこんな感じ。 あとでさびてこないように、フラックスでコーティングします。

できあがった基板

次は部品をハンダ付けしていきます。 ケースとツマミとポットがないので秋葉原へ仕入れにいきましょう。