スプリングをミュートした【American Professional Ⅱ Stratocasterの共鳴を止める】

USA製のストラトです。 共鳴音が出てしまうとのことでお預かりしました。 楽器店でトレモロをダウンオンリーに調整してもらってからかもしれないそうです。

American Professional Ⅱ Stratocaster

確かにトレモロ付近をポンポン叩くと裏側でスプリングが共鳴します。

トレモロスプリングが共鳴している

Bbの音に反応しますね。

Bbで共鳴する

スプリングキャビティを開けてみましたが、明らかにスプリングが鳴っています。

明らかにバネが原因

トレモロはベタ付けで使っていないそうなので、スプリングに熱収縮チューブをかけてミュートします。

熱収縮チューブ

こんな感じ。

熱収縮チューブ

これで止まりました。

共鳴が収まった

ネックが順反っていて、サドル側で弦高を下げてあります。 そのせいでハイポジションで弦がフレットに触れて音が伸びにくくなっています。

サドル部分

全体的に均一な反りだったのでトラスロッドの調整で良くなりました。 順反りを直すと弦高が下がるので、サドルは上げる方向で調整し直します。

ネックの反りを直す

フロントピックアップの磁力に引っ張られて弦が唸るので、オクターブ調整がしにくいです。 少しだけ下げさせてもらいました。 今の弦が磁化していたら新しい弦と結果が違ってくる可能性もあるので、弦交換もさせてもらうことにしました。

フロントが少し高い

オクターブチューニングもズレていたので直しました。 きれいに並んでいるのでこれで正解だと思います。

調整した

これで完成で良いと思います。

完成

トーンポットをプッシュするとスペシャル配線になります。 ご本人は通常のストラト配線でしか使っていないと仰っていましたが、これはこれで使い道のある音がするので面白いですね。


ピックアップの調整【Sonicのスペシャルタイプのメンテナンス-2】

何が原因で音が微妙に違うのか、手がかりを探してピックアップを調べます。 フルアップボリュームが付いているので分解しなくても計測できます。

Sonicに付けたピックアップのフロントから。

抵抗値を計測

リア。

抵抗値を計測

ギブソンのフロント。

抵抗値を計測

リア。  室温が低いので0.2kΩ位低く出ているかも知れませんが、8kΩないくらいに作られているようです。 全く同じですね。

抵抗値を計測

全てNトップ。 ここも同じ。

磁極も同じ

位相を調べます。

位相のチェック

全て同じで右ですね。 たまたまマグネットの着磁の具合がバラ付いているとかその程度かもしれませんね。

位相は同じ

Sonicの方は弦高を下げられるように、ギブソンよりネックの仕込み角を多めにしてあるはずなので、特にリアピックアップの高さに差が出るようです。

仕込み角が違う

ポールピースとの距離を0.1mm単位で似せていくと、かなり音量が近づいてきます。

だんだん似てきた

流石にここまでピックアップを上げるとグラグラしますね。

流石にグラグラする

スプリングとクッションが入っているのですが、クッションが足りないので高さのある物に交換しました。

クッションを交換する

Sonicとしてはピックアップを上げすぎですが、高さ調整ができないギブソンに合わせるとなるとこういう感じにするしかありません。

完成

これでできあがりで良いと思います。

完成

足下でゲインかトーンを半メモリ動かしたら、お客さんからは聞き分けが付かないくらいにはまあまあ似た音にできたと思います。

この「ツマミ半個」みたいな調整になる感じ、ある意味で懐かしいです。


ターボライターを新調した

使い捨てライターをセットするタイプのターボライターを使っていたのですが、毎回同じ感じで壊れます。

缶のガスボンベから詰め替えられるタイプを買ってみました。 使ってみないと耐久性が分かりませんが、なんとなくこっちの方がしっかりしている気がしますね。

ターボライターを新調した

熱収縮チューブを収縮させ放題です。