試作機を登載させてもらった【P-90タイプのピックアップを製作する-5】

試作第一号機ができたのでお客さんのギターに登載させてもらいました。

そこでいろいろなメーカーのP-90を計測することになったのですが、メーカーごとにボビンの幅に差があることが分かりました。

ターン数が同じでもコイルの形状が変わるので直流抵抗値やインダクタンスが変わることになります。

メーカーによってボビンの幅が全部違う

ギブソンのヒスコレもお持ちのお客さんのギターに登載させてもらいました。

試作機を登載させてもらった

リハスタでいろいろ弾き比べてみてもらいます。

コイルの形状を考慮すると、私が巻いているボビンでは、あと300ターン減らせば目標としているピックアップのインダクタンスに近づくことが分かったので、もう少しで試作の最終形が見えてきそうです。

あえてハムキャンセルするようには作っていないのですが、単体で比べた場合では、巻き始めホットで作った分だけシールド効果があるのか、巻き終わりホットの物と比べてノイズは小さめでした。 

巻き始めホットと巻き終わりホットの聞き分けは付きませんでした。 試作機を作るといろいろ分かってきて解像度が上がってきますね。


スイッチボックスにダイモを貼った

特注のスイッチボックスにDYMOで表示を貼りました。

右からストラトかレスポールスペシャルが来て、左からそれぞれのエフェクト群へ流れます。 ラージトグルスイッチで手動で切り替えられる方が間違いがないとのことでこうなっています。

スイッチボックスにダイモを貼った

フットスイッチで上のチューナーアウトにもつながります。


配線から【PGMの3TSBジャズベのメンテナンス-1】

PGMをお預かりしました。 リアルセルロイドピックガードに交換します。 その他配線なども見ていきましょう。

PGMの3TSBジャズベ

ブッシュは軽度ではありますが浮きがあります。 ペグは良い位置に取り付けられているので、シンプルに経年変化という感じです。

ヘッド部

配線はオリジナルではない部分があります。

元の配線

導電塗料へのアース接続のためにアルミシールが貼られていますが表面に導通がないのであまり役に立っていません。 ポットがこすれてめくれているところからつながっていた可能性がありますね。

アルミシート

アース線が外れたままになっています。 ボリュームを交換したときに忘れたのではないでしょうか。

弦アースが外れている

導電塗料は1センチメートル間隔で計測して1kΩ近くあります。 塗り重ねると30Ωくらいまで下がるので、もう1回塗り足しましょう。

導電塗料が薄い

ピックアップはヴァンザント。 8kΩくらいの直流抵抗値が計測されます。

外したピックアップ

コイルの外径と抵抗値からエナメル皮膜線のAWG42ゲージではないでしょうか。 オーソドックスな60年代JBのレプリカといったコンセプトのピックアップだと思います。

ピックアップ

ピックアップを外しました。 クッションが足されています。 リアももう少し上げたいので、クッションを両方交換します。

ピックアップキャビティ

クッションの粘着テープで導電塗料が結構剥がれてしまったので、ここは2回塗り重ねましょう。

分解した

配線を分解していきます。 トーンだけロックワッシャーが重なっています。 こちらがオリジナルではないでしょうか。

ボリュームが変わっている

トーンは8ミリ軸、ボリュームは3/8インチ軸です。

トーンだけミリ

コントロールパネルの穴はボリュームの方だけ拡げられてあります。 と言うことはボリュームを交換したようですね。 今回は全部インチ仕様にそろえます。

穴を拡げてある

コントロールパネルは新しい部品を使ってこんな感じにしました。 アース線が省略されていたのですが、ポットが緩んだときにボリュームやトーンが効かなくなったり音が出なくなったりしますので、黒のアース線を追加しました。

配線し直した

金属製のノブを使うので、回転時に人体がアースされたり浮き上がったりしてファサファサいうのを押さえる目的で導電性グリスを塗布しておきます。 CTSポットは中に黒いカーボンのグリスが塗ってあるので要らないかも知れません。

導電性グリスを塗っておく

ピックガードのねじ穴は合わないので全部一度埋めます。

ネジ穴を埋めた

導電塗料を塗っていきます。

導電塗料を塗る

ロゴシールが貼られている部分はせっかくなのでマスキングしておきます。

ロゴシールはマスキングした