キャビティの中を掃除します。 写真はとの粉みたいな物の上に塗装が乗っているところをガリガリ削っています。 凸凹しているところも平らにしました。
導電塗料を塗布します。
次はネックのヒーター修正です。
ギターを分解していきます。 取りあえずナットは最初から外れていました。 瞬間接着剤が割れてしまったようですね。 簡単に外れるので楽器にダメージが少ないとも言われているですが、冬場に材木が収縮したりぶつけたりしたときに剥がれてしまいます。
なので私の場合はタイトボンドで取り付けて、剥がすときはスチームを当てることにしています。 付いている瞬間接着剤を掃除します。
配線を外していきます。
フロントボリュームとフロントトーンはツマミの中にテープや接着剤が入っていました。 トーンは接触が悪くなっていて、たまにトーンが効かなくなったりします。 ぶつけたのでしょうね。
電装系は全て外してしまいました。
続いてフレットを抜きました。
めくれた指板のを補修するために使った接着剤を軽く研磨して掃除します。
ギブソンの場合、フレットの両端はバインディングになっているのですが、手作業でスクレーパーを使って削る方式のようで、こういう感じに削りすぎていることが多いです。
横からネックをぱっと見たときに、ローポジションが強く順反って見えていたのはこのせいもありました。 フレットも抜いて実際に指板の表面で調べると、ローポジションのコンディションはそこまで悪くありません。 ハイポジションの順反りはしっかり直す必要があります。
トラスロッドの負担を少し減らしたいので、どういうヒーター修正作業をするか考えましょう。
レスポールスペシャルを改造していきます。 オーナーさんはBUMP OF CHICKENが好きな方で、05年くらいのサウンドが好みなので、その頃の仕様に近づけてから機材やセッティングも見直してニュアンスを近づけていこうという趣旨だそうです。
フレットが随分減っています。 ネック材はどちらかというと柔らかいようで、トラスロッドが効きやすいネック中央だけが真っ直ぐで、ローポジションとハイポジションが順反っているという、広い意味で波打った状態です。
ここはヒーター修正と指板研磨とフレット交換をします。 ナットはSonicのオイルドボーンナットOB-02にしましょう。 フレットはジェスカーの#55090を使います。
ジャックプレートがプラスティック製のままですね。 ここも金属製に交換しても良いと思います。
トラスロッドナットは180°くらい回っているだけでしたが、グリスを塗ってもあと60°くらいで急に手応えが固くなるので、もう少し全体的に逆反り方向にヒーター修正して余裕を持たせておきたい物です。
裏蓋を開けました。 ネジが張ったままなのですが前回触ったリペアのときの何かでしょうか?
このギターは本物のバダスブリッジ(オーナーさんが仰るにはUSA製だそうです)がついているのですが、どうみても弦の位置がおかしいです。 ものすごく6弦側によってしまっています。
これはなぜかというと、サドルの中央に弦溝を切ってしまっているからです。 バーブリッジは弦が斜めに回り込んで出てくる特性上、もともとアンカーをずらして打ち込んであるので、バダスに交換したときに弦溝をサドルのセンターではなくてネックのセンターに合わせて切る必要があります。
ブリッジのオクターブ調整もサドルのオクターブ調整もバラバラになってしまっていますね。
ブリッジやサドルの大まかな位置出しを先にして計測しておきます。 新しい弦に張りかえてからやると、弦にサドルによる折り目がいくつもできてしまって、もし異音などが出たときに原因の切り分けがしにくくなることがあって、できれば避けたいのです。 なんとなく1弦645ミリ・6弦649ミリあたりで合いそうです(個体差があります)。
配線をバラしてからネックの調整を始めていきましょう。